はじめてのBricxCC


はじめに

1998年に発売されたLEGO MindStormsも、すでに5年がたった。発売当初は、日本国内で買うことが出来ず、海外から通信販売で手に入れ、英語の情報を読み聞きしながら、互いに情報を交換し、次第に高度な使い方が、ユーザー達の手で作り上げられていった。

MindStormsの中身の解析、ユーザー自身が作ったファームウエア、インタープリター、センサー...

数え上げればきりがないほど、多くの人々が知恵を出し合い、それを交換するうちに確固たるユーザーコミュニティーが築き上げられた。

このページで説明するBricxCC, NQCもそうした先人達の産物である。当初、こういったツールについての情報も、盛んに情報交換され、良質な書籍、Web pageが作られたが、そういった「開拓時代」は、既に終焉を迎え、情報の更新は途絶えがちになり、情報を自ら発信することなく、「享受するだけ」のユーザーが増えてきた。

それは時代の流れで、MindStormsが既にフロンティア思考の人々の心を捉えられるものでなくなってしまった以上、仕方がないと思う。

ただ、全体数から見れば、微々たるものとはなったが、今もなお更新改良し続けられているMindStorms Toolはある。

ここでは、今はまだ「フロンティア」ではないが、もしかすると将来、時代を背負う「フロンティア」になりうる人たちのために、期待を込めて最新のツール動向を説明する。


BricxCCとは何か

MindStormsのうち、RIS (Robotics Invention System) には、付属CD-ROMにプログラミング環境が入っている。

しかし、これはちょっと複雑なプログラムをしようとすると、結構厄介でわかりにくいものとなってしまう。そこで、Dave Baumさんが、プログラミング言語Cに似ているが、ちょっと違うと言うNQC (Not Quite C)という、言語を作った。

NQCはWindowsはもちろん、Linuxや、Macintosh, Windows CEにも移植されている。この移植性を確保する為、OSに依存する内容は極力避けたため、Windows版もCUI (Charactor User Interface) になっている。つまり、適当なテキストエディターでプログラムを作り、DOS窓を使って、コマンド名、オプション、ファイル名をキーボードから入力する必要がある。

GUI (Graphic User Interface)が全盛になってしまい、CUI だと操作出来ない人が多くなってきたし、長い文字列を何回も打つより、クリックで済めば確かに便利だ。

そこで、NQCをGUIで操作できるようなプログラムRcxCCがMark Overmarsさんによって作られた。

それをさらにJohn Hansenさんが、改良したのがBricxCCとして公開されている。RcxCCや、logOSのように、"RCX", "LEGO"のような商標を使って欲しくないと言うLEGO社からの要請もあった。

現在、BricxCC/NQCは、RIS (Robotics Invention System)すべてのバージョンのRCX、RDS (ROBOTICS DISCOVERRY SET) に付属のSCOUT、CyberMaster、そしてSpyboticsのすべてに対応している。

DSDK (Dark Side Developer Kit)、DDK (Droid Developer Kit)は、残念ながら、BricxCC/NQCを使用することはできない。だが、WinVLLでプログラミングできるので、手始めにUSB LEGO Towerを用意するのも良いと思う。

RISを持っていないが、RDSは持っているといった場合、IR Towerだけを入手すればよい。RIS1.0/1.5に付属のCOM Portに接続するIR Towerでも、RIS2.0に付属するUSB接続のLEGO Towerでも、使用することができるが、今ならUSB LEGO Towerをお勧めする。

詳しくは、「SDK2.5で遊ぼう」を、見ていただきたい。

また、Spyboticsの場合、それ以外何も購入しなくても、BricxCC/NQCを使用できる。

しかし、後で述べるように、USB LEGO Towerを用意すれば、JoyBricxで手軽にNQCプログラムの入門ができるので、手に入れたほうが楽しめると思う。

さらに、MindStormsはまだ何も持っていないという場合、今なら、目玉おやじEXキット+USB LEGO Towerという、ちょっと前まで考えもしなかった価格で入手する方法がある。(現在は販売終了)

USB LEGO Towerは、ツクモロボコンマガジン館でも、単独で購入できる。但し、デジラに比べるとだいぶ高価である。


まずは使ってみよう

BricxCCのホームページはhttp://members.aol.com/johnbinder/bricxcc.htmだが、Downloadはsourceforgeの

http://sourceforge.net/projects/bricxcc/

から、取れるようになっている。MPL (Mozilla Public Licence) で公開されているので、無料で手に入れることが出来る。まずそれをDownloadしよう。そして適当な場所に置く。

もし、ウイルス対策ソフトを持っていれば、こうしてダウンロードしたファイルは、念のためウイルスチェックをして欲しい。もしもっていなければ、すぐにでも、購入してインストールすることをお勧めする。http://www.vector.co.jp/などから、オンライン・ダウンロードで購入すれば、店頭でパッケージを購入するよりかなり安価に入手できる。

インストーラがついているので、ダウンロードしたファイルをダブルクリックすると、インストールが始まる。

 

ユーザー名を入れ、

インストールする場所を指定する。普通は変更しないでよい。

指定したフォルダーがないと作っていいか聞くのでYesを押す。

まあ、慣れない内はTypicalを選ぼう。

スタートメニューのどこに入れるか聞いている。英語版なので日本語の表示が変だが気にしないでよい。

インストール開始前の最終確認となる。

インストールはすぐ終わり、タスクバーにBrixCCが追加されている。

念のためここで再起動してから、BricxCCを起動してみよう。

使う機種、IR Towerのポートを指定する。

こんな画面が出ればOK。

もし、RCXを使う場合で、ファームウエアを入れてなければ、このメニューからも入れられる。

インストールの初期設定がどうもうまくいかないようなので、EDITからPreferencesを選び、

各タブをDefaultに設定すれば、

 

ありゃ、この程度のエラーは我慢しよう (^^;

後はFileのすぐ下のボタンを押して、NQC Programを打ち込めばよい。

NQCは、http://www.cs.uu.nl/~markov/lego/tutorial_j.pdflから、NQCチュトリアル(pdfフォーマート)NQC2.x用を頂いてきて勉強してください。

さらに、Yokoseさんより、BricxCCをWindows Vistaで使う情報を頂いた。感謝すると共にここにリンクさせていただく。


って言うんじゃ、まだ敷居が高すぎるだろうから、とりあえず、

http://www.line.to/mac/MindStorms/JoyBricx/

から、JoyBricxをとってきて、Installして欲しい。BricxCCは起動しないでおく。

JoyStick, JoyPad, 矢印キー、マウスなどで使えるリモコンだ。

RecordをStartにしてから、リモコン操作をし、Stopを押してから、Saveを押す。

そして、適当な場所に適当な名前で保存する。このとき、ファイルの種類はnqcにする。

JoyBricxを終了してからBricxCCを起動し、File Openを選び、さっきJoyBricxでSaveしたFileを読み込む。

プログラムを書いてないのに、ちゃんと出来上がっている。

Program 1と書かれた窓の横にある下向きの青い三角マークを押すと、Programがダウンロードされる。

ダウンロード後、Runボタンを押せば、さっきリモコン操作した動作をするはずだ。

BricxCCには、画面に鍵盤を出して音楽を演奏したり、MIDI FileをNQCなどに変換する機能もある。これらを使えば、やはりNQCを直接書くことなく、NQCを使える。

ただ、MIDIをNQCに変換するのが目的なら、Midi2Lscの方が強力だ。まあ、Midi2Lscは、MidiをMindStorms用に変換するとこだけに特化した専用プログラムなので、比較すること自体おかしな話なのだが、使い比べてみればすぐわかると思う。


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