人の感情は出来事をどう受け止めたかによって変わる。例えば100点満点の試験で95点とったとしよう。クラスの平均点は50点だった。
勉強した成果が出た。
平均点よりも45点も上だったと喜ぶ人もいれば、
こんなに勉強したのに100点でなかったため、落ち込む人もいる。出来事は95点を取ったという同じ事象である。受け止め方(自動思考)の違いで感情は全く逆の方の結果になってしまう。自動思考には癖があって人によって異なるが、類型に分類することができる。
1. 全か無か思考
100点でなければ0点と同じだ。
2. 破局的思考
私の病気は一生治らないだろう。
3. すべき思考
朝は早起きすべきなど、自分にも他人にも厳しい。
4. 過度の一般化
私はみんなから嫌われていると思い込んでいるが、一人ずつ名前を挙げてみると実際には、2人から嫌われているだけだったりする。
たとえば朝隣のおくさんにあいさつしたが無視されてしまうという出来事が有ったとしよう。
受け止め方として
1. 私が自覚してなしに奥さんを怒らせるようなことをしてしまったのかしら。
2. 私はしばらくお付き合いすると必ず嫌われる。
など考え、結果的に、落ち込んでしまう。
そんな時には他の可能性を考え、現実はどうか検証する。
1. 耳が遠くなったのかもしれない。
2. 電車に乗り遅れそうであいさつする余裕がなかったのかもしれない。
3. 朝ご主人と大喧嘩をしたばかりであいさつできる心理状態ではなかったかもしれない。
などの落ち込まない受け止め方を列挙し、ダメージが少ない考え方を選ぶ練習をして自動思考を改善する。
これが認知療法の基本だ。
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