続々鬱な日々 2002年8月


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8月9日 退院後、これまでの経過

7/25に退院し、8/3退院後最初の外来再診を受けた。ここで、痴呆症の専門家、F先生の紹介状をもらい、8/6に転院して、F先生の診察を受けた。


「せっかく訪ねていただいても、今わかることは、余りありません。」

若いころ、宴会ごとに、ずいぶん多量な飲酒をしたのですが?

「そういう呑み方では、あまり萎縮は起こらないと思います。毎日たくさん飲む方が、そうなることはあります。」

「今はまだ、可能性でしかありません。心理テストの結果も、正常値の範囲内といえます。もっとも、元はもっとよかったものが、落ちてきたのかもしれませんが、それは、前の試験結果と比べないとわかりません。リスクがあるという点では、誰もが、癌や、脳梗塞、その他のリスクを持っています。あなたの場合は、アルツハイマー病の可能性があるということです。ご本人も、奥さんも、心配でしょうが、『今を大切に生きる』という点では、それは、よい事でもあるのです。」

「また、時期がくれば、入院中に受けたような試験を受けていただくときがくるかもしれません。」

進行するかどうかが、分岐点なのですね?

「そうです。」


このような趣旨の話だったと思う。淡々とした話だが、それしかしようがないのは、私もわかっていたから、これでいいのだと納得した。

納得はできても、家族の生活を考えると、そう「淡淡と」しているわけにもいかない。妻は、万一のための、介護に関する情報集めやや、正社員として働ける会社探しをしているが、私にできることは、あまりないような気がする。

現在処方された薬は、下記のとおりだが、このうちグリチロンの量が、退院処方と違っているのは、紹介状の誤記によるものと、今日問い合わせてわかった。正しくは、2錠である。

デパス錠0.5mg 1錠 鎮静剤 毎食後3回
ウルソ 1錠 肝庇護剤 毎食後3回
グリチロン 1錠 肝庇護剤 毎食後3回
ガスター錠20mg 胃潰瘍薬 就寝前
イソミタール0.2g 催眠鎮静剤 就寝前
ブロバリン0.3g 催眠鎮静剤 就寝前
トリプタノール25mg 2錠 三環系抗鬱剤 就寝前
アリセプト 5mg アセチルコリンエステラーゼ阻害剤 朝食後

8月14日

Internetには、痴呆症の相談を無料で行っていただける、サイトがいくつかある。

そのうちの、ひとつ、倉本内科病院副院長・笠間 睦 先生に、これまでの経過を説明し、果たして私がアルツハイマー病の可能性が高いのか相談してみた。

その日のうちに大変丁寧なお返事をいただけた。

内容を要約すると、以下のとおり。


アルツハイマー病の患者自身が、電子メールで詳細な質問を送って来ること自体、「皆無」であり、文章内容からも痴呆があるとは考えられない。痴呆症状が見られないのに、アリセプトを飲む必要はない。

アルツハイマー病患者が、鬱様症状を示すのは、「初期」の状態で、「痴呆症状」を伴っているはずであり、もし、痴呆症状がないなら、それはただの鬱病、鬱状態である。

確かに、MRI画像から脳の萎縮は認められるが、萎縮があっても何の症状も出ない「無症候性脳萎縮」はあり、現在のところその研究成果はないに等しく、原因・頻度・予後は不明である。アルツハイマー病なら、確実に萎縮が進行するので、もし進行がなければ、無症候性脳萎縮と考えるのが妥当だろう。

半年〜1年後、記憶力の試験を行い、もし低下が見られなければ、その時点で、アルツハイマー病の可能性は否定できる。


明快で、大変勇気つけられる説明だった。主治医とは、ほぼ正反対のセカンドオピニオンとなったが、できれば、当然こっちを信じたい。

メールを主治医に見せても構わないとまで仰って下さったので、実際そうして再検討していただこうと思っている。


8月20日

今日は、F先生の2度目の受診日だった。

職場に戻り、支障なく仕事ができていること、アリセプトを止めてもいいのではないかと思っていることを伝えると、「それでは止めますか?」と、笠間先生のメールを見せるまでもなかった。

8月4日に採血した結果は、γ-GTP 104, 尿酸値 7.2mg/dLだった。

抗不安薬(デパス)も、、もう不要だろう、抗鬱薬(トリプタノール)も、漸減して1〜2週間で中止し。これらを止めれば、肝庇護薬も中止してもよいと思う。睡眠薬は、すでに止めてしまっているならそれでかまわないが、止める順序としては、もっとあとで良かった...

念のため、アリセプト、睡眠薬を除く処方を2週間分出しておくが、自己管理して、順に中止していくように。

何の問題もなければ、次は4週間後に予約を入れておくので様子を見せに来てほしいとのこと。

念のため、アルツハイマー病で無いとすると、「脳萎縮」が起こっているのは何のためか伺ってみたが、「確かなことは何もわからないといった方が、よいと思う。それよりも、今生活に支障がなければ、あえて名前をつける必要はないのではないでしょうか。」との事だった。

8月4日の処方は、いきなり変えると、患者が混乱するだろうから、単に退院処方と同一にして、様子を見ていたものらしく、アルツハイマー病の可能性は、笠間先生と同様に考えていらっしゃったように思える。

いずれにしても、時間が経過しなければ、確定的なことは言えないことに変わりがないが、その可能性が高いと思っているのと、低いと思っているのでは、だいぶ気分が違う。

こんなに、どんどん薬を止めてしまってよいのか、ちょっと不安にもなるが、ただの鬱病なら、もう治っていると私自身感じているし、「無症候性脳萎縮」の可能性が考えられる事は、セカンドオピニオンでもいただいているので、まあ大丈夫だと思う。

デパス錠0.5mg 1錠 鎮静剤 自己管理
ウルソ 1錠 肝庇護剤 自己管理
グリチロン 1錠 肝庇護剤 自己管理
ガスター錠20mg 胃潰瘍薬 自己管理
トリプタノール25mg 2錠 三環系抗鬱剤 自己管理

8月21日

とりあえず、昨晩は就寝前のトリプタノールを1錠に減らしてみた。やはりかなり寝付きにくくなり、3:00amごろになってようやく寝付いた。なるほど、「睡眠薬は後でよかった。」という意味がわかった。今夜は、まだ13回分残っているイソカルを飲んで寝ようと思う。

朝は、ウルソ 1錠、グリチロン 1錠のみにした。寝不足からか、頭の右側が痛い。緊張性の頭痛を疑い昼には、デパス錠0.5mg 1錠を加えて飲んだところ、あっさり頭痛は治まった。

デパスを外すのも早すぎたようだ。朝1錠を残したほうが良かったと思う。でも、気分的な落ち込みは、微塵も感じられない。やはりもう、「鬱病」は治っているようだ。


8月22日

昨夜は、23:00ごろとりあえず眠薬なしにトリプタノールを1錠だけで、やってみたが、0:30でも寝付けなかったので、イソカルを飲んで寝た。トリプタノールの催眠、鎮静効果は、それなりにあったようだ。2錠飲んでいるうちは、ほかに睡眠薬を飲まなくても、よく寝付き朝まで寝ていたが、1錠ではあまり効かない。何らかの睡眠薬を去年の6月以来、ずっと飲みつづけているので、いきなり切るのはやはり無理があるようだ。

7:50頃、一旦起きたが寝不足で調子が悪く9:30まで寝ていた。昨日の教訓から、朝食後、ウルソ 1錠、グリチロン 1錠、デパス 1錠を飲んだ。昼は、ウルソ 1錠、グリチロン 1錠のみ。

これで、夜まで安定しているようだ。頭痛も起こらなかった。


8月23日

昨夜は、デパス0.5mg 1錠、トリプタノール1錠で入眠を試み成功した。これは行けるかもしれない。今夜もこの手を使ってみようと思う。

暫定的に、下記の処方となる。

デパス錠0.5mg 1錠 抗不安鎮静剤 朝食後、就寝前
ウルソ 1錠 肝庇護剤 毎食後
グリチロン 1錠 肝庇護剤 毎食後
ガスター錠20mg 胃潰瘍薬 就寝前
トリプタノール25mg 1錠 三環系抗鬱剤 就寝前

調子がよければ、8/27まで、このプランで行き、その後、トリプタノールを外すことにしようと思う。


8月24日

のどもと過ぎれば...の感はあるが、6/13日以来続けた禁酒を解除した。(破ったといったほうが正しい?)まあ、毎日2合以上続けて呑まなければ、アルコール性脳萎縮は大丈夫だそうだし...


8月28日

昨晩から、トリプタノールをOFFにした。2:00amぐらいまで寝付けなかったので、久しぶりに、イソミタール、ブロバリン合剤を飲み眠った。

ちょっと眠いこと以外、症状は出ていない。


8月29日

寝不足だったせいもあり、昨晩は睡眠薬なしに寝られた。肝庇護薬も、今日からグリチロンを毎食後1錠に減じた。胃の調子も悪くないので、ガスターは中止した。

デパス錠0.5mg 1錠 抗不安鎮静剤 朝食後、就寝前
グリチロン 1錠 肝庇護剤 毎食後

もうしばらく様子を見て、とりあえず朝食後のデパスを中止しようと思う。


8月31日

昨晩はいささか飲みすぎて、今日は二日酔いになってしまった。また少し脳が萎縮してしまったかなと、反省している。

続く⇒


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