続・鬱な日々6月


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mac's Junction


6/6 2度目の転院

 午前7時に家を出て、既に3時間が過ぎていた。病院に着いたのは、8:00amちょっと前だから、もう2時間以上ただ待っている状態が続いている。途中書類を書いたりしたが、大病院はとかく待たされる時間が長い。

 ようやく受診の番が回ってきたが、まずは「学生」による予診だった。そしてまた、長時間待たされ、医師による問診が始まったのは11:00amを過ぎてからだった。

 でも、私が転院を決意したのは、早期完治するためにやるべきことを、まだ、やっていなかったことをこの診察で教えてもらったからだった。

 確かに前にかかっていた医院では、最新の治療薬を最大限使って治療していたが、それは必ずしも、薬物療法の「もっとも効果のある」方法ではなく、副作用の心配が少ない選択だった。

 もし、長期間服用しても効かない場合は、まず、別の抗鬱薬に変えるか、量をふやしてみて、それでもだめなら、さらに別の抗鬱薬を試みるのが、セオリーらしい。

 最新の治療薬は確かに、よく効き、しかも副作用が少ないのだが、効き目の上では、もっと古いもののほうが良く効く場合があるとのことだった。そして、それでもだめなら、服薬から、点滴に変え、それでもだめなら電気ショック療法を試みる。それが早期完治のシナリオで、電気ショック療法まで行くことは、新しい主治医でも1度もなかったとのことだった。

 多くは、入院すれば2ヶ月程度で直る。それが本当なら、私の1年はなんだったのか。私は少なからずショックを受けた。

 でも過ぎてしまったことはしょうがない。副作用を覚悟して、別の抗鬱薬を通院しながら順に試みていく方法をとることにした。

 処方された薬は下記の表に示す。

アナフラニール錠10mg 1錠 抗鬱剤 毎食後3回
デパス錠1mg 1錠 鎮静剤 毎食後3回
テトラミド錠10mg 2錠 四環系抗鬱剤 就寝前
ベゲタミンB 1錠 精神安定剤 就寝前
ベンザリン10mg 1錠 催眠鎮静剤 就寝前

6/7

 5:00am前に覚醒した。いつもの朝より、気分が悪い。たぶん前の、抗鬱剤の効力が切れ、昨日、飲み始めた抗鬱薬はまだ効力を発揮せず、副作用だけが出ているせいだと思う。

 昨日は、通院しながら、治療を受けていこうと思ったが、、よく考えてみると、今からでも改めて入院した方が、やはり早く完治できるのではないかと考えるようになった。一応入院を前提に準備しながら、次回の受診時(6月12日)に主治医に相談しようと思う。


6/8

4:00amに覚醒し6:00am頃まで、再入眠できなかった。8:00amに起床したが、11:00am位までは頭がくらくらする。

 こんなことなら、最新のSSRI/SNRIなど抗鬱薬と、四環系抗鬱薬とを併用すればよいように思うが、これらは、互いに干渉が強く併用するのは、危険だということを6/6の診察時に聞いている。

 虫垂炎などとちがって、2ヶ月程度の長い入院が予想されるので、いろいろ買い物リストを作っている。病院の案内書には、「電気製品は、原則持ち込み禁止」と書いてあるのだが、ラップトップPCを例外として持ち込むことを許してもらえるだろうか?できれば、Pin-Comp@ctも持っていき、Inet connectivetyを確保したいところだが、やっぱり無謀かなあ。他科と違い、精密な電子機器は、精神科病棟にはないので、強引にお願いしてみようと思っている。


6/9

 0:30ごろ寝たのに、6:00に覚醒する。ところが、昨日までの朝の不快感が、ウソのように軽くなっている。

 抗鬱剤は、飲み始めは、作用が出ずに、副作用が先に出て、普通1〜2週間以内に、薬剤の副作用が軽くなり、本来の抗鬱作用が生ずると鬱病関係の本に書いてあるが、3日目にしてテトラミドの端境期に入ったらしい。

 多分、次の受診日(6/12)には、薬剤の量を倍にするか、また別の薬剤に変えるのだろうと思う。こうして大波をくぐりながら沖に出て行くように、副作用に悩ませられたり、効果が出たりを繰り返しながら、もっとも効果が出る薬剤とその量を探してゆく。

 早期に薬剤療法で鬱病を治すというのは、こういう模索をしていくプロセスらしい。よって、患者には結構辛い思いをさせることになる。

 そう考えると、前に受診していた開業医が、副作用が少ない最新の薬剤だけを長期間処方し、いろいろの薬剤を試みなかった理由が見えてくる。開業医は一種のサービス業だと考えれば、客(患者)にできるだけ不快な思いをさせないようにしないと、成り立たない。完治しなくても、そこそこ良い状態を維持し長期間通ってもらったほうが、商売としては都合が良い。決して前にかかっていた開業医をけなしたり恨んだりするわけではないが、それが町医者の限界なのだろう。

 一方大病院の勤務医は、「客へのサービス」は、あまり考えなくて良い。多少辛い治療をしても、治すことに専念できる。

 大病院だけが良いといっているわけではない。ただ、開業医にかかって病気が長引いたり、治療に疑問を感じたら、セカンドオピニオンを求めて、大病院で受診すべきだと思った。

 私に場合は、そのタイミングが、だいぶ遅かったようだ。


6/10

 今日はうって変わって調子が悪い。頭が重く、体はだるく、胃も痛い。原因は、大体察しがつく。昨日は、やたら調子がよかったので、動き回りすぎて消耗してしまっている。自分もやりすぎだと思いながら、コントロールが効きにくいのも病気のせいだと思う。


6/11

 今日も朝から調子が悪い。なのに、持っていこうと思うノートPCのセットアップをやっている。もう自分では制御不能だ。寝ていなければいけない状態になっているのがわかっているのに、やめることができない。結局夜までかかって、Windows98 Pulas!をはずし、ディスクをクリーンアップして、CynugusWinとVC++6をインストールし、デフラグをかけてやっと晩飯を食べるまで、丸1日この作業を続けていた。完全に頭のブレーキが壊れている。風呂に入り、寝る準備をして、いつもの薬を飲んで11:00pmごろ、寝床に入ってが、0:00を過ぎても目が冴えて、眠れない。仕方なくベゲタミンBをもう1錠都合2錠飲んで、何とか寝付いたが、4:00amに起きてしまいこの日誌を書いている。自分でも異常なのは認識しているのに止められない。何で入院するのに、VC++を持っていく必要があるのだ!

 やはり入院するしかないと再認識した。


6/12 入院の意思表示

 今日は、診察日で病院へ出かけた。主治医にに入院を希望することを伝えた。医師は、まだ2回しか診察していないし、この程度の症状なら通院でもよいのではないかと、言ったが、入院しないと、いつまででも仕事を続け自己制御が効かなくなっている旨を告げた。

 他に、前の診察から6日間の経過を告げ、今の抗鬱剤では、十分睡眠が取れていないこと。テトラミドを飲むと直後から、20分程度あごが痙攣することや、胃痛と便秘の症状があることなどを話した。病棟の見学もさせてもらった。3階が開放病棟で、4〜6階が閉鎖病室になっている。私は、開放病棟の、8人部屋に入ることになりそうだ。

 一人部屋の差額ベッドはわずか2000円だが、症状の重い患者に割り当てられるので、私の症状程度では、まず無理とのこと。

 デジカメを含めカメラは一切持ち込み禁止。前にプライバシー上の問題が起きたそうだ。

 AC電源を使うものは持ち込み禁止なのだ。パソコンの持ち込みも、禁止といわれたが、これにはこっちも譲れない事情がある。粘りに粘って、病棟内では使用しない、充電もしないことを条件に、先方で検討してもらうことになった。

 ところがこれには大きな落とし穴があった。病院構内に、PHS使用圏内がほとんどない。職員や外部の人も使えるレストランがあって、ここで使うことを目論見、AC電源を使うことまで許可してもらったのだが、完全に圏外でだめ。

 止むを得ず、病院外でAC電源を貸してくれ、しかもPHS圏内でオペレートできる場所を探し回る羽目になった。それも、徒歩でいける範囲でないと実質上不可能なので、この作業は困難を極めた。動作状態にあるノートPCを手にもち、雨の街中を探し回るしかない。でも、遂に見つけた。病院から徒歩で約10分。こころよくACコンセントを貸してくれるお店を。この喫茶店には、入院中毎日通うことになるだろう。

 こうして、あとは先方から、入院日の指定がくるのを待つだけになった。多分1週間以内になりそうだが、10日ぐらいかかる可能性もありそうだ。

 今日処方された薬は、予想通り抗鬱剤を2倍に増量したものになった。就寝前の精神安定剤もベゲタミンAになった。

アナフラニール錠10mg 1錠 抗鬱剤 毎食後3回
デパス錠1mg 1錠 鎮静剤 毎食後3回
テトラミド錠10mg 4錠 四環系抗鬱剤 就寝前
ベゲタミンA 1錠 精神安定剤 就寝前
ベンザリン10mg 1錠 催眠鎮静剤 就寝前
プルゼニド錠12mg 便秘薬 就寝前
ガスター錠10mg 胃潰瘍薬 朝食後

 

 それと、剃刀も病棟には持ち込み禁止になっている。自殺念慮がある患者もいるからなのだ。電気剃刀はいいらしいが、私はあれの剃り残し感というか、あの振動の感触というか、ともかく絶対使いたくない。

 現在、スキンヘッドなのだが、どうしようもない。入院中は、髪も、髭も伸び放題にするしかなさそうである。


6/13 入院日の告知

 昨日の診察時に聞いた話では、入院は1週間から、10日先になりそうで2〜3日前に電話で連絡するという話だったが、今日、10:00amに電話がかかってきて、いきなり明日の11:00amに入院するようにという指示があった。これには少々あせった。ものの準備は、大体できているのだが、心の準備はまだできていない。

 それに、今日は、会社のネットワーク管理や、転院前の医院に通院することや、いろいろスケジュールが詰まっている。遣り残しても、入院までにすればよいと余裕で考えていた。

 ところで、転院前の医院に、今日受診に行くのは、少々複雑な理由がある。社会保険から、現在傷病給付を受けて生活費に当てているのだが、当社の給与は、毎月15日締めなので、社会保険事務所に提出する申請用紙は、毎月15日を過ぎてから、医師に書いてもらい提出する。ところが、今回は、5/26に前の医院で最後の診察を受け、6/6に現在入院予定の大学付属病院で最初の診療を受けたので、診療期間に空白が生じてしまいその間の、給付金をもらえなくなってしまうのだ。だから、本来診察を必要としないが、この申請日の空白を埋めるために診察を受けに行くのだ。なんともお役所的な話だ。


6/15

入院2日目の夜を迎えた。前日もなかなか眠れなかった上、早朝覚醒してしまい、3時間足らずしか寝ていなかったが、6/14の夜は、全く眠れなかった。精神安定剤の入ったべゲタミンでなく、ドラールと言う睡眠剤に変えたのだが、これが全然効いてくれない。

23:50 看護婦さんに頼んで予め主治医が頓用に指示してあったアモバンを飲んだがそれでもだめで、1:00am、当直医の指示でもう1錠、アモバンを飲んだがそれでも効かず、結局一睡もしないまま朝を向えた。
それでも、気分は最高によい。良いというより、Highな躁気分である。

心電図と、胸部レントゲンを撮りに行ったが、病室から、検査室に向う道すがら、案内して戴いた職員に問われてもにない身の上話をするなど、やたらと多弁になっている事からも、それが分かる。分かるけれど止まらない。

この傾向は、入院前の通院時に抗鬱剤をアナフラニールとテ卜ラミドにかえてから、初めは夜だけ、次に午後から、遂には朝からと徐々に現れてきた。ニ相性というらしい。「もう、どうにもとまらない」である。これでは体がもたないので主治医に伝え緊急退避的に今夜はべゲタミンを処方する事にして頂いた。


6/16 安定した1日

前々日全く眠れないし、その前日も約3時間と体力的に限界が来ているので、緊急退避的に昨夜は、べげタミンAB各1錠を出してもらったが、それでも0:40に中途覚醒してしまい、とりあえずアモバン7.5g1錠を飲んだ。しかし、なお2:00amになっても、眠ることができず、遂にべゲタミンBをもう1錠追加してようやく5:45まで眠ることができた。

これは、健康な普通の人が飲んだら1〜2昼夜眠ったままになる量だと思う。去年の夏はべゲタミンA 2錠を鬱病のために、今は同量を躁状態の為に飲んでいることになる。今日は昨日と違い非常に安定した精神状態になった。

午後、父と妻が面会に来たが、正常でもう治ったように見えると行った。これは恐らくべゲタミンの影響だと思う。そして主治医がべゲタミンを避けたがる理由は、ここにあるのだろうと思う。

べゲタミンは睡眠薬でなく、強力な精神安定剤であるため、抗鬱剤が効いているのか、今本当はどのような精神状態にあるのかマスキングしてしまい読めなくなってしまうのだろう。べゲタミンは、鬱病を直す力はない対症療法薬だから、これでは治療指針を見失うのだろう。しかし、今日は日曜日、主治医は当直明けの休日なので、今夜もべゲタミンを飲んでねむる。


6/17 精神科病棟

今日は頭部のCT検査を受けた。6/15は必電図、血液検査と胸部レントゲン。6/18は、脳波の検査がある。

入院直後は暇なようで意外と忙しい。

ところで、精神病での入院を読者の皆さんは、どんな風に考えているだろうか?少なくともそれ以外の診療科での入院に比べて、良いイメージを懐く人は少ないだろう。

確かに窓が開かない檻に閉込め、手足を拘束する病院がないわけではないが、今、私が入院しているのは任意入院による解放病棟である。私は子供のころ法定伝染病の猩紅熱に罹り、隔離病棟に入院したことがあるが、その時は病室から外に出る自由もなかった。

大人になってから肺炎で1週間入院したが、今回の入院もそれとそれほど、変わらない生治を送っている。

但し、精神病棟特有の規制がない訳ではない。まず、病棟に出入するときは、帳簿に出入時間、行く先を記入しなければならず、その回数と時間は、患者毎に制限されている。私の場合、1日l回、1時間30分が今の制限だ。外泊は許可されていない。

持ち込めるものも厳重に制限されている。電気コードを使うAC電気器具、安全カミソリを含むすべての刃物は持ち込めず、パソコンについては前にも書いたが、病室で使うことも充電することもできない。それでは私は如何にしてこのページを更新し、メールを送受しているのだろうか?

これについてはしばらく後に記すことにしよう。


6/18 病院の一日


昨晩の睡眠薬は、最初に飲むドラールの量を2倍の30mgに変更した。
結果はたいして効果はなく、21:00 入眠、0:20 中途覚醒、1:00 イソミタ一ル 0.2gとブロバリン 0.5gを飲んだが、効き目がなく、1:55 べゲタミンBを飲んで、4:35 覚醒、3:00以降はそれ以上、睡眠薬を出さない指針なのでそのままうとうとと朝を迎えた。

今日は入院患者の1日を簡単に書いておこう。

6:00 起床
6:30 検温
7:00 朝食
12:00 昼食
13:30 検温(この時、過去24時間の大便、小便の回数を聞かれる)
18:00 夕食
19:00 検温
21:00 消灯

 

「検温」と記した時間には同時に血圧と脈拍を測る。回診は木曜日週1回になっている。


6/19 睡眠薬の再調整

昨夜は睡眠薬を調節し、就寝時のドラールを倍量の30mgにしてみた。21:00消灯とほぼ同時に眠り0:20に中途覚醒し、1昨夜も飲んだイソミタールO.2g、ブロバリン0.5gを飲んで再入眠を試みるが、失敗。1:55べげタミンB 1錠を飲んで4:36起床。

睡眠薬の変更は失敗におわる。

昨日は、精神病棟の明示的な規則を記したが、今日は暗黙の決まり事を書こう。

食事は、自室でとる人を除いて、大広間で普通食べるのだが、その席次は、原則としては自由になっている。ところか、実際は、暗黙のうちに厳密に決まっていてうっかり人の人の席に座ると、怒られる。

風呂は週に2回で、土曜日は、9:10〜11:00が男性、13:30〜17:00が女性。木曜日は逆に午前が女性で、午後が男性となっておりその間自由に入れることになっているが、一度に5人しか入れないので、男性は部屋番号の若い順、女性は勝手に行列して順に入るのが習わしとなっている。

ほかの決まり事は、また後の機会に記るそう。


6/20 通信手段

どこの病院でもそうだと思うが、院内で携帯電話やPHSは使用禁止になっている。おまけに精神科では、開放病棟でも患者毎に出入りは制限されていることは既に述べた。

私がいる3Fから出入りせず患者が通信を行なう手段は、1台のみ設置されている「緑色の公衆電話」に限定される。

さてそれでは、どうやって私がページを更新し、メール送受をしているか?それが6/17の出題だったが、解った人はいるだろうか?

タイピングは遅い方ではないが、ノートPC使用禁止、AC使用、充電ともに不可。携帯電話やPHSは使用禁止の環境で、私が外出許可をもらっている1時間30分の内に、会社のネットワークを管理し、メールを送受し、ページを更新するのは、私自身、不可能に思えた。

ころが信じ難いことにそれを可能にする方法があるのだ。今のところ合否を問わず解答はないが、明日、私の採った方法を記そう。


6/21 睡眠薬再考

今日から病室にエアコンが稼動し始めいよいよ夏が近づいて来た感じだ。退院予定のころは秋になっているだろう。

昨晩は、べゲタミンをA, Bを就寝時に同時に飲み中途覚醒した0:00 イソミ夕ール 0.2g、ブロバリン 0.5g(の合剤この合剤はイソカルとよばれているらしい)を飲み、起床時間まで、眠れた。入院以来、夜中に1度しか起きなかったのは、これが初めてだと思う。

病院はぼぼ1週間単位で動いている。

今日21日で入院1週間を迎えるが、処方が、かなり、変更される事になった。

高揚感が高まり過ぎる感じなので、アナフラニールはやめ、、睡眠薬、べゲタミンの代わりに、その成分をバラバラに、コントミン50mg(メジヤートランキライザ)、ヒベルナ25mg(トランキライザーの副作用をおさえる)、イソカル(イソミタール・ブロバリン合剤)にし各成分の量を細かく調節できるようにする。いままでのベゲタミンはメジヤートランキライザと睡眠薬の複合錠剤で、この辺の調節は困難だった。

まあ、カレーライスのルーをかってくるか香辛料を自前で調合するかの違いだと思うと考え易いだろう。今夕から、この処方となる。

テトラミド、デパス、べンザリン、プルゼニドに変更はない。効き目がなかったドラールは、降板となる。

分かりにくくなっきたのので、再び表にまとめよう。

デパス錠1mg 1錠 鎮静剤 毎食後3回
テトラミド錠10mg 4錠 四環系抗鬱剤 就寝前
コントミン50mg 三環系精神安定剤 就寝前
ヒベルナ25mg 催眠鎮静剤 就寝前
プルゼニド錠12mg 便秘薬 就寝前
イソミタール0.2g 催眠鎮静剤 就寝前および中途覚醒時
ブロバリン0.5g 催眠鎮静剤 就寝前および中途覚醒時
ガスター錠10mg 胃潰瘍薬 必要の応じて

6/22

昨夜から処方変わり、べゲタミン成分をバラバラにして、イソミタール0.2g、ブロバソン0.5g(この合剤をイソカルという)、コントミン(主成分はクロルマイセジンと言うメジャートランキライザー) 50mg、ヒベルナ 25mg(コントミンの高揚感を押さえるための精神安定剤)(前2者の合剤をPICと言う)、に分けられた話は昨日書いた。

各成分の割合を調整できるので、私のように不眠により既製の睡眠剤によってほかの症状が隠れてしまう場合は、この手法が用いられるのだと思う。

今日で入院から、満1週間。精神病棟も思っていたほど悪い所ではない。それは、患者の症状という意味ではなく、看護士、へルパー、そして医師ら医療ス夕ッフの努力の成果である。


6/23 ハートエ房

あなたが、もし、田舎町で小さい喫茶店を営んでいたと仮定して欲しい。

そこへある日突然、全く初対面のスキンヘッドの男がやって来て、「自分はあそこに見える病院の精神科に入院予定の者だ。入院したら毎日やってくるので、AC100Vの電源を提供して欲しい。もちろん、注文はするし、他の人に危害を加えることは全くない。」と言ったとしよう。

あなたならどう返事をするだろうか?私だったら悩みつつ遠回しに断る。ところが世の中には凄い人がいるもので、その申し入れを、二つ返事で受け入れて下さった。

それが今、私が1時間30分の外出許可制限を目一杯使って通っている「ハートエ房」(Tel 049−295−5441))と言う喫茶店だ。

私はここでZaurus MC-E1を充電しながら、それまでに書いたメールを送受し、次にノー卜PCを接続しネットワーク管理を行ない、続いて自分宛に書いたメールをノートPCで受けて、Copy & PeastでWebぺージを更新しているのである。

これが6/17出題の正解である。

それたけではない。

ハートエ房の営業は月〜金の12:00〜18:00だが、土曜日は心身障害者の施設に店を貸し障害者が営業しているだ。ハート工房店主、渡辺さん(女性)の心の広さには敬服するばかりである。


6/24 隣人の退院

処方の中かからアナフラ二ールを抜いたせいか、あるいは 睡眠薬の影響か、昨日に比べてゆっくりと寝られ1度しか途中で目覚めなかった。気分も昨日までの躁が消えている。

そのかわり、立ち上があり、歩こうとすると、酩酊してにるようによろめき、細かい文字が二重に見える。だから、今この日誌を綴るのは困難を極めている。

午後になれば、少しましになりそうに思えるので、続きは後にしよう。 


午後になった。予想通り朝の症状はウソのように消えて、今、昼食を食べて来たところだ。

やはり飲んでいる薬の副作用なのだろう。今夜にでも主治医に聞いてみようと思う。

私は8人部屋で生活している。その内1床は入院当初から空いていたので、7人で寝起きして来た。本日、左隣りの方が退院された。入間市にて、ご家族で理髪店を営まれているとの話以上病気についての話はしなかった。

この病院では、外来待合室での呼び出しを氏名で行なう事の是非を患者にアンケートを求めるなど、急性記に患者の生命を守るためや、社会秩序を維持するやむを得ない場合を除き、患者の人権とプライバシーは守られているように思う。

私は写真の趣味があり、人を撮らないことを約束してデジカメの持ち込みを許可してもらえるよう、執拗に求めたが断固として禁止された。このページに写真が載ることがあるとすれば、面会者が持ち込み、持ち帰った物に限られる。

話がだいぶ横道にそれた。

私の右隣は、4回の躁鬱病入院暦を持つべテランの(?)建築関係設計者。その他の同室者の情報は知らない。まあ、他の診療科に比べると少々変わった人もいないではないが、決して大部分が一見して異常ということはない。

さて私の病状だがアナフラニールをやめたせいか、ベゲタミンを成分毎に分離調製したせいか、昨夜は、21:00就、1:25amに中途覚醒しイソカル(いつものイソミタール0.2g.ブロバリン0.5gの散剤)を飲んだだけで4:45amまで眠ることができた。

これはかなりの成果だ。

ただ、起きた後がいけない。6:00amまで再入眠できないのみならず、歩こうとすると激しくふらつき、物が二重に見える。呂律が回らない。思考はしらふだが「酔っ払い」状態で朝を迎える。

今夜は主治医と相談の上、コントミンを10mg減量し40mgとすることにした。

多分、中途覚醒の時刻は、早くなるがPICをつないでコントミンによると考こられる副作用を低下させる作戦に出ることにした。


6/25 心理テスト

昨夜は21:00 就寝後、0:10に起きたが、これは十分眠気があり、すぐ再入眠した。次に1:05に起きたときは、頭が冴えていたので、無理をせず、PICを飲んで寝て5:20に起きた。

しかし覚醒後も、頭は冴えているのに、歩くとふらつき、物が二重に見えりで体だけ酩酊しているようだ。

主治医に相談しテ卜ラミドを半量の2錠に減らし、中途覚醒は覚悟で当面、PICで、睡眠時間を確保し、別の薬を求めて模索することにした。

そのために入院したのだから当然だと思う。

今日は「心理テスト」を受けた。

簡単なパズルをしたり、数桁の数字を復唱したり、逆順に言ったり、暗算をしたり描かれた絵の不合理な点を指摘したり、何枚かの絵をストーリー性があるように並べ換えたりする。全部で90分ほどかかった。

はじめは7月10日に受ける予定になるほどスケジュールが混んでいたが、主治医が特別に日程を確保してくれたらしい。感謝である。でもこれを受けると何が解るのか、良く分らなかった。

こんなことをせず。帽子みたいなものを被るだけで、その人の思考力、判断力、記憶力などが数値として測定できないかとか、これはきっと形状判別力を試験しているのだろうなどと、本来やるべきことと全然関係ないことばかり考えていたから、私の試験結果はあてにならないのではないかと、今頃になって気づいたが手遅れというものだ。


6/26 病人食

病院で食べる食事と言えば、大抵ひえきった、まずい病人食が頭に浮かぶ。ところでは精神科で、その合理性を納得するのは、難しい。

老人でうまく咬めない。他科で手術を受けたり、合併症があるある。など特別な理由がなければ普通食を食べられる。この病院では、昼食、夕食に各2種類のメニューがあり患者の意志で選択できる。もっとも私は、アレルギーで食べられない魚に制限があり、選択の余地は少ない。

今日は、「脳血流シンチレータ」(SPECT)の検査を受けた。腕から、弱い放射能を注射し、脳の断面図を、その放射能が発する放射線の強さで描く。これによって、CTより早期に脳の血流の異常を検査できるそうだ。

昨夜は、21:00 就寝、23:15 に中途覚醒し、PICを飲む。その後、1:55 もう一度中途覚醒し、ベゲタミンBを飲んで、4:35に覚醒した。中途覚醒は、まだぜんぜん改善されていない。


6/27 回数

食事中の方には申し訳ありません。

病院に入院中は、大抵前日の大便小便の回数を聞かれる。私は前に「何時を境に1日を決定して、カウントするのか尋ね「前日聞かれた時(およそ13:30)から次に聞かれた時」と言う回答を得た。回答者名はあえて伏せるが、数える方には分りやすく、やり易い方法だと思う。

本日は助教授を先頭に同研究者を従えた回診があり、偶然別の患者から、同じ質問が出て、ある門下生が「6:00amをさかいにしてかぞえる」と回答した。私は、既に述べた別の回答を聞いていたので、それを告げると、少々の混乱の後、検討後回答するとの返事を得た。
私は自分では表情を変えず。「そうですか」と言ったものの、内心抱腹絶倒「医療もしくは医学」を科学から外すことにした。

6:00amでも13:30でもどっちでも良い。一定観測/実験/測定基準を定め誰がやっても同じ観測値を得られるよう努力し、その観測、観察に基づき議論して結論を積み上げるのが科学である。

しかし観測基準もなく、各自バラバラに自分勝手な観測を寄せ集めたのでは、如何なる処理を加えても数学的統計的結論を得ることはできず、また、ものごとの普遍性を探求する科学と呼ばれる資格はない。

まあ、そのような施設に生命を預けている私も、かなり無責任な人間であることを、認めなくてはならなくなるが、ここは「科学が心の病気を治す証明はされていない。」と言うことにして、もうしばらく様子を見ることにする。


6/28

昨夜は、21:00 就寝し べゲげタミンB 1錠をのんだが、中途覚醒後、23:30中途覚醒後、30分頑張ったが 23:30 PICを飲んで再々入眠し5:06に起きた。

お気づきの通り、PICとべゲタミンBの服用順序が、今までと逆になってにるが主治医の指示にしたがったものである。

朝食後、9:00amまでねるなど、睡眠薬が不足しているとは、考えずらいというのが主治医と一致した考えで、別剤を含めよく寝られる方法を模索したい。

ところで昨日の「回数」の件だが、今日聞いてもまだ結論は出ていなかった。「むずかしい」問題らしい(^^;

6/28のぺージを更新して、病棟に戻ると、ホールでは構内カラオケ会の真っ最中だった。精神病棟でも閉じこもったままではやはりストレスが溜まる。そこで、折々、イベントを行なって来たそうだ。いままでも花見や芋煮会、屋上園芸などがあったらしい。いずれも参加は本人の自由で、強制でない点には好感が持てる。

さて、睡眠薬についてだが、昨夜まで用いたコントミンの効果があまり効かず、逆に肝臓障害の懸念があるため、今夜から処方を、大きく変え、コントミンを廃し、レボトミンを中心にする事になった。

そして念のため明朝、採血して肝機能検査を行うことになった。このように、容体、薬功を見ながら迅速に対応できるのは、入院治療の利点だろう。

デパス錠1mg 1錠 鎮静剤 毎食後3回
テトラミド錠10mg 4錠 四環系抗鬱剤 就寝前
レボトミン15mg 催眠鎮静剤 就寝前
ヒベルナ25mg 催眠鎮静剤 就寝前
プルゼニド錠12mg 便秘薬 就寝前
レボトミン15mg 催眠鎮静剤 就寝前および中途覚醒時
ガスター錠10mg 胃潰瘍薬 必要の応じて

6/29 レボトミンの効果

昨夜大幅に変更を加えた、睡眠薬プランだが、結論から言うと効かなかった。

2l:00 消灯で一応眠れたものの、22:40 に中途覚醒しプランに従って、追加のレボレミン 15mgを飲んだ。しかし今度は全く眠れない。けれども計画は変更せず、23:50 二度目のレボレミン 15mgを飲む。やはり全く眠れない。

仕方なしに当直医の指示でベゲタミンBを出して頂き、ようやく5:25amまで眠ることができた。

昨日は入院治療の長所を書いたが、昨晩は一見それが裏目に出たようにも感じられる。ともかく入院前に通院していた医院では、2001年7月〜2002年6月ベゲタミシA/Bを処方していて、それ以上の冒険はせず、そこそこ安定した睡眠をとれていた。しかしこれを入院の短所と言うことはできない。少なくとも、レボトミンは、「私の今の病状に合わない。」ということは、わかった。つまり昨日記した「摸索」プロセスの一環と考える。


6/30 トリプタノールの効果

かなり眠気を感じて、予定を早め20:00 計画してあったレボトミン昨日の倍量の(30mg)卜リプタノール25mgを飲む。消灯前なので耳栓をし寝所にはいる。果たして23:50に中途覚醒しベゲタミンB 1錠を飲む。しかしそれも束の間、2:40に起き、コントミン50mgを飲む。つぎに気がついたのは、朝食の配膳がはじまった7:1Oだった。

これはどれが効果的だったのだろう。

理由は色々考えられるし、各々の相互作用まで考察すれば、膨大な数になり、とても厳密な分離試験はできないし、する必要もないし、して欲しくない。6時間以上の睡眠を得られたのは、一応成果はあったが、結局また肝臓に負担をかける薬剤を導入してしまった。

ただ今夜も、同一の投薬プランなので、このブランのもう少し詳しい情報が得られるかもしれない。

続く⇒


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